3月31日、千葉県松戸市で「第1回 Game Jam in Matsudo」が開催されました。
主催はCode for Matsudoとバンダイナムコエンターテインメントで、参加者は千葉大学学生が中心で、現役のクリエイターも居ました。1チーム2~3人でチームを組み、プログラム、グラフィック、音楽など、それぞれのパートに分かれてゲーム制作に取り組みました。中にはひとりで挑戦するツワモノも。
ゲームジャムというのは、その場で出されたお題に即したゲームを短時間で作成するというものです。
今回は「千葉」「春」をテーマに、8時間の制限時間が設けられました。
普段からゲーム作りをしているとはいえ、短時間でゲームができるのか、興味津々です。
参加者は与えられた時間だけでも足りないと思われますが、取材する側としては参加者の邪魔をするわけにもいかず、手持ち無沙汰です。
そこで、松戸市役所 経済振興部 文化観光国際化 臼井さんに話を聞いてきました。
そもそも松戸市がゲームジャムを開催した背景は、松戸市にゲームクリエイターを招き入れ、ゲーム開発者が住みやすい街としてアピールしたいとこのことでした。
平成22年に現松戸市長が文化・教育・子育てをスローガンにし、当選。これにより文化を中心とした街作りが開始されたとのことです。
最初はアーティストを呼び込み、空き家や店舗などに作品を展示し、それらを扱う不動産業者が松戸にやってきました。結果、現在では200人程度のアーティストが松戸に移り住んでおり、定着したとのことです。
街の開発には、クリエイティブシティ論を参考にしており、アーティストの呼び込みに成功したあとは、クリエイターの招聘となったと言うわけです。
また、松戸市は元々バンダイミュージアムがあり、ニトロプラスの創業の地であり、グッドスマイルカンパニーやマッドハウスもあった場所です。そういった面からクリエイターが育つポテンシャルはあると語っていました。ただ、松戸市はこれまで駅前にオフィスビルがなく、それらの企業が大きくなると出ていってしまうという過去もあります。高さ制限や税務署の問題などもあり、決して根付く環境になかったわけです。まだ、オフィスビル問題は解決していませんが、ITコンテンツの金融や税制の優遇が可能になったことで、招聘しやすい状況になったとのことです。
ということで、いよいよゲームの発表となりました。
今回参加したチームは全部で8チームでしたが、どのチームも基本的にゲームを完成していました。こういった物作りにおいて、重要な要素のひとつに完成させるというものがあります。いくら、見栄えが良く、面白くなりそうでも、完成しなければ何にもならないわけです。特にゲームは、その傾向が強いのではないでしょうか。
完成したゲームの発表は、ゲーム関連の動画を配信している「ポリポリクラブ」が担当し、Youtubeにて生配信されました。
最後に各賞が発表され、表彰されました。作ったゲームが評価されるのは大変喜ばしいことだとは思いますが、1日かけて仲間とゲームを一緒に作ったり、競い合ったりすること自体に価値があるような気がします。
リーダー絶起の『赤い犬が松戸市を杉花粉から守るゲーム』。点眼薬を発射し、花粉を倒しつつ、ボスの杉の木を倒すシューティングゲーム。
なまちゃの『ガチャラン』。ガチャで武器を補充しながら、花見をしつつ、敵を倒すランゲーム。
生アリスブレイズの『CHIBAGON QUEST』。スライムなどのモンスターを倒す、アクションシューティングゲーム。
世界の合言葉は蟹の『春爛漫』。演出がとにかくぶっ飛んでいた、全方位高速シューティングゲーム。
大納言ヒヨコ豆さんの『転生したらハルキゲニアみたいな姿で千葉時代に飛ばされた件について』。千葉で一番ホットな話題チバニアンを題材にしたシューティングゲーム。
ワセック(仮)の『MAD MAX』。荒廃としたマッドシティをバイクで滑走するランゲーム。
エイムブラザーズの『はなさかアクション』。敵を倒しながら、花を咲かせていくアクションゲーム。
だろす王子の『Matsudo Crisis』。さまざまな銃を使い分けて、鬼を退治するガンシューティングゲーム。
バンダイナムコからこんな賞品をもらったチームも!
今回のイベントで、松戸市とゲームクリエイターがどれだけ近づいたかはまだ未知数ですが、今後もこういったイベントを開催して欲しいところです。