ゲームライターコミュニティを立ち上げるにあたって、最初に考えたのは第3回「レビュー記事の書き方」について、自分の持っているノウハウの共有でした。というのも自分はなんだかんだいって、「ゲーム批評」でのキャリアが基礎になっているからです。ただし、いきなり「批評の書き方」は難しいと思い、段階をふむことにしました。そのうえで最も基礎になる(と個人的に思っている)「ニュース・イベントレポートの書き方」について講演させていただくことにしました。
というのも、かなり上から目線で申し訳ないのですが、ゲーム業界では読んでも良くわからないニュース・イベントレポートが多いように感じるからです。特にCEDECなどの技術講演レポートでは、だらだらと長いわりには「それで、何が言いたいのだ?」と頭をひねるものが多いように感じます。そこで「ニュースの種=5W1H」を最初に切り出して骨組みとし、それに肉付けするように文章を整えるのがオススメだとしました。
また、もう一つ言いたかったことに「コンテンツはビジネスモデルによって規定される」という点があります。もともとゲーム業界では家庭用のパッケージゲームからモバイルのF2Pゲームに大きく市場が切り替わるときに、ゲームデザインの違いを説明する上でこのタームが定着してきました。しかし、これはあらゆるコンテンツにおいて同様に言えることです。そのわりにはゲームメディアであまり明文化されてこなかったような気がして、改めて言語化しました。
講演中でも言いましたが、ライターの趣味嗜好は年齢によって変わっていきます。ゲームの紹介やレビュー記事は、そのゲームが対象年齢としている世代のライターが書くのが、読み手にささって良いと思います。反射神経を要求するゲームの攻略記事など、年齢的に難しくなるものもあるでしょう。ただし、ニュースやイベントレポートは年を取って、経験を重ねるたびに上達し、内容に深みが出てきます。長くライターを続けていく上で、一つの選択肢かなと思います。