ゲームサイトはどうやって儲けているの?収益化の代表的なパターン


今やゲームライターの寄稿先は紙媒体よりも圧倒的にウェブメディアが多くなっています。
ゲーム情報サイトや攻略サイトなど、様々なゲーム系のウェブサイトが記事を発信していますが、さて、これらのゲームサイトはどうやって儲けているのか知っていますか?

え、それってライターが知っていないとダメなんですか?
と思う方もいると思います。

ライターとして稼働するだけならもちろん知らなくても大丈夫です。
しかし、どのようなゲームメディアも「収益以上の報酬をライターに払うことは原則として」ありません。
当たり前ですね。潰れてしまいますから。

寄稿先であるゲームサイトがどうやって儲けているのか=収益化しているのか、を知ることは、

収益面から見て良いメディアなのか
原稿料が適切なのか
どのような記事構成が向いているのか

等を判断する材料になりますし、
サイトの収益構造に合った記事企画の提案への一助にもなります。

私は実際にゲームサイトを運営していますが、
「ライターは記事を書くのが仕事、収益のことはそっちで適当によろしく」
というライターさんよりも、
収益構造を理解して必要なPVを意識し、記事構成を考慮して執筆してくれるライターさんを重用します。つまり、仕事を多く渡し、執筆料も高く設定します。
実際に見込み収益が大きくなることが多いのですから、執筆料も高くできるのです。

ゲームサイトの収益構造を知ることは、ゲームライターさんの原稿料も高めるはずです。

前置きが長くなりましたが、ゲームサイトの代表的な収益構造について見ていきましょう。

1.ネットワーク広告

ウェブサイトの代表的な収益化の手段は「ネットワーク広告」です。
パソコンやスマホでサイトを見ていると、見るたびに表示が変わるバナー型の広告を見たことがあると思います。

ネットワーク広告は、サイトを見ている人に表示を自動最適化する「リターゲティング」という機能が実装されているものが多く、その人の過去の検索履歴や閲覧履歴、スマホであれば端末の状況、年齢、性別などから、今見ているサイトのジャンルなどとも合わせて、現時点で最も効果的である(=収益性が高い)と推定される広告が表示されるようになっています。

ネットワーク広告の多くは、1クリックごとの報酬や、eCPMという広告独自の数値でサイトに収益が発生します。PV(ページビュー数=サイトが見られた回数)がそのままサイトの利益になりやすいのが特徴です。
ネットワーク広告の設置はサイト運営者にとって手軽な収益化の方法で、多くのゲームサイトが採用しています。

ネットワーク広告にはGoogleのAdSense(あどせんす)をはじめ、nendi-mobileなど、様々なサービスが存在します。

2.アフィリエイト

アフィリエイトも広告の一種で、日本語では「成果報酬型広告」と呼ばれるものです。
アフィリエイトリンクやアフィリエイトバナーをサイト閲覧者がクリックし、遷移先のページで実際に商品を購入したり、申込みをしたりすると、サイト運営者に報酬が支払われます。

上のネットワーク広告に比べて報酬発生までのハードルが高い反面、単価の高いものが多いのが特徴です。
ゲームサイトの場合はアプリゲームのダウンロードがアフィリエイト広告の対象になっていることが多いようです。

レビュー系のゲームサイトはアフィリエイト型に強い傾向にあります。

3.動画

YouTube動画を指しますが、記事に埋め込んだり、記事と連動する形でチャンネルを運営しているサイトは多くあります。
YouTube動画にはAdSense広告を掲載することが可能で、再生数に応じて一定の収益が入ります。

動画を撮れるライターさん、というのはメディアとしてはとても助かります。(ライターさんの仕事かどうかは置いておいて)

4.記事出稿

お金をもらって作成するPR記事のことです。
非常に大きな予算がつくこともあり、この記事出稿が収益のメインになっているサイトも多くあります。

記事作成と公開に対して売上が立つ事と、高品質な記事が求められることから、プロライターさんに渡しやすいお仕事の1つとも言えます。

記事出稿が収益のメインの場合、記事出稿をより多く受けるため、またより高額で受けるために、通常の記事の品質も大切です。
素人でも書けるような内容の薄い記事ばかりが並んでいるサイトには、お金をかけて記事出稿をしようとは思わないですよね?

PR記事がそれなりの数入っているゲームサイトで稼働する場合は、その辺に留意して記事執筆や企画提案を行うと良いと思います。
例えば独自性の高い取材記事の連載などはサイトの権威を高め、記事出稿の受注に良い影響をもたらす可能性があります。

5.コーナー設置

攻略コーナーや取材連載コーナー等をサイト内に設置することで報酬を得るものです。上の記事出向と似ていますが、連載が前提という点が異なります。依頼元はゲームメーカーであるケースが多いようです。

攻略に特化したゲームサイトの場合、単体の記事出稿というのはなかなか受けにくいのですが、攻略コーナーの設置という形式であれは受注が可能です。

公式コーナーとして設置されることも多く、サイトとしては安定した継続収益が発生するとともに、ゲームメーカーから情報の提供を受けることができ、他のサイトに対して情報の量と質で上回ることが可能です。

ただしゲームサイトとゲームメーカー間の信頼関係がとても大切で、一定期間運営していく必要があるだけに担当するライターさんの柔軟な対応姿勢が重要になります。

6.通信販売

ゲームやゲーム関連グッズなどをサイトで売ります。
といってしまうと非常に単純ですが、情報発信と物販は全く異なる業態ですので、この収益化手法をとれるのは大手のサイトであることが多いでしょう。
逆に言えば、通信販売コーナーをそれなりの期間きちんと運営しているゲームサイトはそこそこ体力のある運営組織である、と言えると思います。(通信販売が儲かっているかどうかは別として)

7.その他

月極での固定広告の設置や、サイトが発信するメルマガへの広告掲載、変わったところではアクセス解析データの販売(個人情報はもちろん含まれていない)、などもあります。

最近ではサイト自体に例えばアプリゲームを有料でPRする機能をつけたり、一部の記事を有料販売にしたり、有料の会員登録制であったり、などもあるようです。

まとめ

以上が「ゲームサイトの儲け方=収益の上げ方」の代表的な例です。
広告による手法が多いのですが、徐々にその他の収益手法も増えてきているように感じます。

ではこれをどのようにライター業に活かすのでしょうか?

ネットワーク広告がメインの収益手法であるサイトの場合は、
記事の中に広告があれば、適切な段落分けなどにより記事内に広告を設置しやすくする構成が喜ばれるでしょう。
記事下の広告がメインであれば、長文よりも端的な記事を素早く量産する能力が重要かもしれません。

アフィリエイトメインであれば、ユーザーが「このゲームをプレイしてみたい!」と思うようなタイトルの選定と、レビュー記事の構成が重要です。

記事出稿メインであれば、特定のユーザー層にじっくり読ませるコーナーを数種類持つことが大事ですから、良い取材ネタなどあれば企画提案してみるのはどうでしょうか。

というように、例えば「ゲームサイトがより儲かる」ようにサイトの収益構造に合わせて稼働することが可能です。

また実際に自分のブログなどで収益化を試せば、どれくらい儲かるのかの目安を得ることもできるかもしれません。そうすれば原稿料の目安にもなりますね。ネットワーク広告などは試しやすいのでオススメです。

仕事の発注元がどのように儲けているのかを知ることは大きな価値があります。
普段はあまり気にしない「ゲームサイトの収益構造」について、少し考えてみるのはいかがでしょうか。


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