来年もあと3回授業が残っているのですが、ここで一回レポートを書いてもらい、それをもって後期課題としました。後期でやった授業内容がどの程度理解されたか、確認しておきたかったからです。もともと来年の3回で、これまでに学んだ内容をベースにゲームレビューを書いてもらう授業をするつもりでしたので、丁度良いタイミングでした。レポートのテーマは「自分がこれまで遊んで感銘を受けたゲームと、その理由」です。
ただ、なんでもかんでも書けば良いというものではなくて、「後期の授業内容を踏まえること」というのがミソ。では後期に何を学んだか。それはひとことでいえば「遊びやすいゲームって何だ?」ということにつきます。つまりレポートの構造は必然的に「私はAというゲームに感銘を受けた(=おもしろかった)。それは、このゲームが遊びやすかったからである。その理由は……」となります。その上で理由に「自機とコントローラーと世界の関係が適切だったから」と書かれていれば、100点というわけです。
ちなみに前期の授業でやりましたが、この「おもしろかった(つまらなかった)、なぜなら○○だからである……」というフォーマットは、自分の中ではレビュー(=批評)の最小単位と位置づけています。批評とは「物事の是非・善悪・正邪などを指摘して、自分の評価を述べること。」と辞書にも書かれていますしね。もちろん、人によっていろんな批評の捉え方があると思いますが、やっぱり、この核のところがしっかりしていないと、何を言っているんだか良くわからない、どっちつかずの文章になってしまうような気がします。
その上でクリエイターをめざすのであれば、学生時代に自分の(そして他人の)成果物を客観的な視点から構造的に分析し、改善案を示せるようになるための訓練をするのがいいと思うんですね。そのためにはクリエイティブに対して、なんらかの客観的な物差しをもつ必要があります。実際それがないとグダグダになってしまうのは、一回でもゲームジャムに参加すればわかるはず。というわけで後期は「遊びやすいゲーム」という切り口で授業をやってみたわけですが、どこまで伝わったのでしょうか? こちらもドキドキです。