東京藝術大学大学院映像研究科ゲームコースの学生作品『Small Life』がIGF2022の学生部門でノミネートされました。ゲームはitch.ioで無料公開されています。藝大生が作成したゲームが学生部門でノミネートされるのは、『Downwell』(IGF2015)に続いて二作目。藝大ゲームコースの学生としては初めてとなります。
ゲームは作者の出身地である中国・深センの下町を舞台としたポイント&クリック方式のアドベンチャーゲームです。画面上で気になる箇所をクリックしていくと、さまざまなアニメーションが再生され、ちょっとした街のエピソードが再現されます。特に決められたストーリーは存在せず、プレイヤーごとにさまざまなナラティブが浮かんでくるゲームになっています。
アジアのシリコンバレーとして、過去20年で急速に発展した深セン。一方、本作で表現されているのは、そうした発展の影で消え去ろうとしている、古き良き下町の姿です。終日椅子に座って新聞を読んでいる店主。安くて美味い中華料理屋。公園にたむろしているホームレス……。現地のけだるさ、ゆるさが画面から伝わってくるようです。
ちなみに開発者の呉ゲツキさんは中国の映像制作会社などでアニメーターやゲームデザイナーとして勤務した後、2019年に来日して同大学院のアニメーション専攻に入学した留学生。2021年3月に修了されています。社会人のリカレント教育の事例としても興味深いですね。
ゲーム概要
- タイトル:Small Life
- ジャンル:アドベンチャーゲーム
- ディベロッパー:Yueqi Wu
- パブリッシャー:Yueqi Wu
- プラットフォーム:PC【DL】
- 価格:無料