なぜ「紙」での出版なのか?


先ほど「『ゲームクリエイター育成会議』をスタートさせました」というエントリを書きました。そこで皆さんが気になるのが「なぜ、Webではなくて紙なのか?」ということではないでしょうか。ここでは補足として、刊行に至った経緯について説明させていただきます。

きっかけは2017年12月18日に開催した「ゲームライターコミュニティ#21 ライトニングトーク大会」で、株式会社聖地会議の柿崎俊道氏のプレゼンを聞いたことです。同社では「聖地巡礼・コンテンツツーリズムのビジネスを語りつくす」というテーマで、「聖地会議」という対談本のシリーズを刊行しています。そのフレームがおもしろかったので、後日自分の方から連絡を取り、「ゲームクリエイター育成会議」の構想について相談したところ、一緒にやりましょうということになりました。

ゲームクリエイター育成会議1

ゲームクリエイター育成会議2

ただ、こうしたインタビュー企画って、いろんなWebメディアで行われていますよね。なぜ既存の媒体ではなく、紙媒体でスタートさせたのか? 下記が主な理由となります。

①企画を通すのが大変そう

一番の理由がこれです。Webメディアも商業媒体なので、収益につながりそうにない企画(=PVが上がらない企画)は敬遠されます。媒体側にしてみれば、原稿料を支払うわけですから、当然ですよね。そのためには、できるだけ広くリーチする企画が求められます。本書のように読者対象を極限まで絞り込んだ企画は、そもそもビジネスモデル的に不向きなんですね。

実際にCG業界をめざす学生向けのWebメディアには「CGWORLD ENTRY.jp」などがありますが、ゲーム業界をめざす学生向けのWebメディアは、今のところありません。そこそこの学生数はいますし、ある程度の需要もあると思うんですが、やっぱり色々と難しいんでしょうね。いわんや、学生向けではなく先生向けの記事企画でしたから・・・。だったら自分で、ちゃっちゃとやってしまった方が早い。そんな風に思った次第です。

ちなみに書籍化については、最初からまったく考えていませんでした。それこそ企画が通らないと思いましたし、打ち合わせに時間をかけたくなかったからです。また、書籍は良いものを一冊作って、数年かけてじっくりと売っていくのが王道です。一方で本企画については、短期間で情報を発信していく方が良いだろうなと考えたことも、理由の一つとしてあげられます。

②本当に必要な人にだけに届けたい

もう一つの理由がこれです。Webメディアだとコンテンツは原則、無料です(有料記事もありますが)。そのため多くの人に情報を届けられるのは良いんですが、今回については、多くの人に読んでもらいたいとは思っていませんでした。それよりも、本当に必要な人にだけきっちりと届けて、満足してもらうような内容にしたいと考えました。

これはゲームでいえばF2Pとパッケージ流通の違いに似ています。最初から数千円のお金を出して購入するパッケージゲームでは、最初からゲームに対する前のめり感が違います。そのため『龍が如く』シリーズのような、対象ユーザーを最初から絞り込んだ企画が成立するわけです(もっとも、最初は大変だったそうですが)。本企画もそれに準じたというわけです。

実際に僕が読者だったら、こういった内容の情報を絶対に求めていたと思います。特にワークショップのアイディアですね。自分も授業をやってみてわかりましたが、座学とワークショップは、それぞれ強みと弱みがあります。だからこそ、両者を組み合わせることが大事なんですが、なかなか事例がありません。こうした情報をどんどん掲載していきたいと思っています。

③著者の名前で検索してヒットさせたい

最後に検索エンジンで「小野憲史」と検索すると、Amazonなどの販売ページがヒットして、ブラウザで開けるようにしたいという欲目もありました。現在もエゴサーチするとtiwtterのアカウントや過去の記事リストがヒットしますが、ここに電子書籍の情報も加えたいというわけです。こうすることで、セルフプロモーションに厚みが増しますよね。

同じような理由で最近、いろんなイベントに行って簡単な動画レポートを録画して、Facebookにアップロードするといったことをやっています。以前ちょっとやっていて、しばらくサボっていたんですが、再開しました。テキストって流し読みできるけど、書くのは大変じゃないですか。そこで速報を動画で、後追い記事をテキストでと、切り分けることにしました。

余談ですけどライターって記名記事が書けてナンボ、みたいなところがありますよね。テキストに加えて、動画レポートができると仕事の幅が広がるのでお勧めです。名前と顔を覚えてもらうのって、フリーランスには重要ですよね。もちろん、それで面倒くさいことも発生する恐れがあるため、慎重さは必要です。ただ、フリーランスの覚悟みたいなのは必要だと思います。

④なんとなく逆張り

最近はみんなWebじゃないですか。なんとなく紙の出版に逆張りしてみたいなと。根拠レスですが・・・。

他にもいろいろ細かい理由はありますが、そこはまたおいおいと、ご紹介できればと思います。以下、続巻にご期待ください!