広告の話からデザインの話になり、だんだんとゲーム専門学校の授業らしくなってきた本講義。気が付けば全14回の講義のうち、もう6回目となり、だんだんと中盤に差し掛かってきました。こんな風に今期は対話型授業を全面に取り入れて、じっくり、じっくり進めています。それができるのも、2コマ目でUnityの演習を行なっているから。1コマ目でどれだけ脱線しても、「じゃあUnityの演習に移ります」で軌道修正できるので、なかなか便利です。
ちなみにUnity演習の教材はユニティ・テクノロジーズ・ジャパンが提供している「あそびのデザイン講座」を活用しています。こちらについてはCGWORLD.jpでレポート記事を掲載していますので、よろしければご覧ください。全15回の内容で、まだ6回目までしか公開されていないため、下手したら授業が追いついてしまう恐れがありますが、その際は何かやってお茶を濁すつもりです。もくもく会を学校でやりたいですね。やろうかな・・・
というわけで今回のテーマは「おもしろさを生むデザイン」です。デザインとは課題解決である。ゲームデザインはデザインの一種である。ゆえにゲームデザインとは課題解決であり、ユーザーとクライアントの両方の課題を解決する必要がある。ここが芸術と違うところである・・・と流していくつもりが、いきなり「ゲームは芸術です」と学生から異論があり、腰を折られました。こういった斜め上の展開が起きるのが、議論型授業のおもしろいところです。
ぶっちゃけ、学生の発想ってビジネスの色に染まった駄目な大人達の常識を軽々と越えていくのがおもしろいんですよね。クラウドファンディングでお金を集めつつ、ユーザーのニーズを吸い上げてゲームを作る・・・なんてアイディアが学生から出てきたところも、おもしろかったです。これを「理想と現実は違う」と一刀両断するのは簡単です。でも、もしかしたら今後、日本でもそういう時代になるかもしれませんよね。。。勉強になります。
ただ、学生とディスカッションをしながら授業を進めていくと、ホントにホントに授業が先に進まない! 今回も「日常的に感じる面白さの例」を学生に出してもらって、それをKJ法的にグルーピングしていったら、あっという間に90分が経ってしまいました。ゲームは芸術か的な議論も、もっと深掘りしていきたいんだけど、時間が無い。そこでFacebookのグループページで続きを行うスキームができればと思っています。皆さん、興味ありますでしょうか?
というわけで、「面白さには様々な下位概念(かけひきのおもしろさ、収集のおもしろさ、交流のおもしろさなど)があること」「それぞれのおもしろさには、それらを生み出す仕組みがあること」「それぞれのおもしろさは、遊び(=ルール)という概念でまとめられて、はじめて世の中に普及すること」といったあたりまで到達して、時間切れになりました。次回は日常的な遊びが、デジタルゲームの中でどのように観察されるかについて、議論していく予定です。