ストレスループでつながるゲームと日常


お疲れ様です。いよいよ夏休み前最後の授業となりました。前期はあと3回ありますが、今日でひとまず締めくくりの回となります。これまで「遊びとは主観的なものである」というところからはじまって、遊びを生み出すメカニクス、MDAフレームワーク、認知・行動モデルと少しずつ進めてきた本講義も、いよいよまとめとなりました。去年の授業でもとりあげた「ストレスループでつながるゲームと日常生活」です。実は去年は第6回目の授業で取り上げたんですよね。それに比べると今年は第11回目と、倍くらい時間がかかりました。ただ、去年はいささか早回しで進めすぎた反省があって、今回はこのタイミングとなりました。

6

内容はスライドを見て頂ければすぐにわかるかと思いますが、エンタテイメントには心理的な緩急をデザインする側面がありますよね。それは日常生活にも同様に見られますよね。そこでゲームっぽい視点で日常生活を観察すると、そこからゲーム作りに役立つヒントが出てくるかもしれませんねーという話です。前半と後半でグループ演習も挟み込みまして、ともに短い時間ではありましたが、けっこうしっかり理解してもらえたのではないかと感じました。時間の関係上、6グループ中3グループのみの発表となりましたが、ちょっともったいなかったかもしれません。

でもって、前にも少しここで書きましたが、こういった分析がサクッとできるのが、メジャーなゲームの特徴ではないかと思います。ターゲットとコンセプトと仕様が一気通貫でデザインされているためです。だからこそおもしろいとも言えます。逆にうまくデザインされていない場合は、どこかで引っかかりが出てくる。それを文章で指摘できるようになるのが、本講義の狙いにかかげている「構造的なレビューができるようになる」ということです。前期の残り3回分では、これまでの知見を元に、いよいよレビューの書き方について進めていく予定です。

ただ、去年やった授業の中で、まだまだ到達できていない部分が山のように残っています。ルイージ主義や、ゲームニクスなどです。実は去年も今年も、この授業はゲームニクスについて理解してもらうことを目的としています。ただ、ゲームニクスってけっこう実践的なノウハウで、それだけにマニュアルっぽいところがあるため、ある程度の基礎知識が無いと、上辺だけの理解に留まってしまうようなリスクがあると感じています。ホントは1-2本、授業でゲームを作ってもらって、それを教材にできると良いんですけどね・・・。

というわけで後期については、まず「キャラクター」、そして「キャラクターと操作」「キャラクターと世界」と進んでいき、ルイージ主義(=ルール・インタラクティブ・ジレンマ)へと論を進めていく予定です。その後、満を持してゲームニクスに突入・・・と行きたいところですが、どうなるか。それとは別に、「あそびのデザイン講座」を用いたUnity演習も並行して進めていまして(3時間目がスライドの内容で4時間目がUnity演習)、両方の接続も本格的に進めていきたいところです。まあ、とりあえず次の授業は8/31までないので、ゆっくり考えます。

※本講義のベースとなったスライドはこちら。スピーカーノートに原稿もついています。


/* nend */ /**/