前回は後期のはじめということで、ゲームの個人史年表制作で準備体操をしてもらいました。その上で今回から、いよいよ本格的に後期の授業が始まりました。今回掲げたテーマは「プレイヤーキャラクターのデザイン」です。スライドを見ていただければわかりますが、コントローラーの形状を先に提示して、その形状に即した(=コントローラーから操作方法が連想しやすい)プレイヤーキャラクターをデザインしてもらうことを狙いに掲げています。
実際にコントローラーやデバイスの操作からゲームデザインを行うというのは、プロのゲーム開発者でも日常的に行われていることではないかと思います(逆にスマホが出始めた頃は、物理キーがないのでゲームが作れないという話もよく聞きましたよね)。ただ、ホントはコントローラーではなく、ゲームデザイン、すなわちプレイヤーキャラクターのデザインが先にあって、それに即したコントローラーがデザインされるべきであるのは、自明の理です。
んでもって、これが許されたのがアーケードゲームの特権でもありました。実際にアーケードゲームでは80年代初頭にさまざまなコントローラーが登場し、それと並行してさまざまなゲームデザインの実験が行われていきます。日本のゲームが80年代に飛躍的な進化を遂げたのは、やはりアーケードゲームの存在抜きに語れないのだなあと改めて実感させられます(逆に海外では日本製ゲームにおされて、早くからアーケードゲームの製造販売が下火になっていきます)。
ちなみに、実はこの演習は立命館大学映像学部の渡辺修司先生が「インタラクティブデザイン論」という授業で行われているものを参考にさせていただきました。渡辺先生の授業は大学で行われているだけあって、きちんとアカデミックな知見にもとづいたものになっていますが、自分は美味しいところだけをつまみ食いさせていただいております(渡辺先生、ありがとうございました!)。逆にこのスライドが他の先生方の授業のヒントになれば幸いです。