アフリカのeスポーツ連盟で最年少の女性事務局長となった、ザンビアのチョウルウェ・シャブカリ氏にインタビュー


gamecampcities.proはマラウイ(アフリカ)のゲーム系広告代理店でeスポーツに関するニュースを発信しています。マラウイをはじめ、アフリカでは急速にeスポーツの市場が拡大しています。今回、Gamewriter.jpでは記事の日本語参考訳を提供すると共に、本サイトでも記事掲載することになりました。オリジナル記事はこちら。


2022年リロングウェ(マラウイ)で開催された、アフリカ第5回ユースゲームに参加したザンビア人のチョルウェ・エレン・シャブカリ氏に、Gamecampcities Agencyカントリーディレクターのアサフ・アタホ・ニエニェジがインタビューしました。アフリカにおけるeスポーツの過去、現在、未来について、5つの質問を交わしています。

アサフ・アタホ・ニエニェジ氏(Gamecampcities Agencyカントリーディレクター、UAE)エティハドタワーズのコンラッドホテルにて(アブダビ))
Eスポーツの基礎知識

Eスポーツ(またはエレクトロニック・スポーツ)とは、競技用ビデオゲームを表す言葉です。FIFA、League of Legends、DOTA 2などのゲームで、世界中のプレーヤーが賞金や名声を賭けて競い合っています。

ザンビアのEスポーツシーン

ザンビアのEスポーツシーンは、まだかなり若いですが、急速に成長しています。現在、国際的なレベルで戦っているプレイヤーも多数おり、日々、このスポーツに興味を持つ人が増えてきています。今ザンビアで最も人気のあるゲームは、FIFAとDOTA 2です。

なぜEスポーツなのか?

Eスポーツのキャリアを追求するだけの多くの理由があります。いくつかの利点は次のとおりです。▼経済的な安定:トップEスポーツプレイヤーは、プロとして競技に参加することで非常に良い生計を立てることができます。主要なトーナメントの賞金は、しばしば100万米ドルを超えます。▼名声と認知度:大きな大会で優勝すると、Eスポーツコのミュニティで莫大な名声と認知度を得ることができます。トッププレイヤーは、従来のスポーツ選手と同じように有名になれます。▼柔軟性:従来のスポーツとは異なり、Eスポーツで成功するために卓越した身体能力を持つ必要はありません。つまり、十分なスキルと献身的な努力さえあれば、誰でも成功を収めることができるのです。▼Eスポーツの未来:Eスポーツの人気が高まっていることから、世界中のプロゲーマーの未来は明るいと言えるでしょう。より多くの人がビデオゲームを見たり、競い合ったりすることに興味を持つようになれば、この業界は年々大きくなり続けるでしょう。

サヨ・オヲラビ氏、アフリカEスポーツ開発連盟(AEDF)事務局長(左)と、チョルウェ・シャブカリ氏、ザンビアEスポーツ連盟事務局長(右)、 マラウイで開催されたEスポーツ・パネルディスカッションにて、2022年12月。

アサフ・アタホ・ニェニェジ ( GCC UAE )

こんにちは、2022年にマラウイで開催されたアフリカ競技リロングウェ大会のザンビア選手団における組織とあなたの地位について説明していただけますか?

チョルウェ・エレン・シャブカリ( EFZ Zambia )

はじめまして。 私の名前はチョルウェ・エレン・シャブカリです。Team Gematrix Limitedの共同設立者で、ザンビア Eスポーツ連盟の事務局長でもあります。マラウイの首都リロングウェで開催された第5回ユース・アフリカン・ゲームでは、連盟内での技術担当をつとめました。

アサフ・アタホ・ニェニェジ ( GCC UAE )

『ストリートファイター』と『FIFA』がアフリカ連合第5地域ゲームス・リロングウェ大会のeSports種目に選ばれました。この大会にザンビアが参加したことについてどのようにお考えですか?

チョルウェ・エレン・シャブカリ( EFZ Zambia )

『ストリートファイター5』と、『FIFA』でななく『e-football』は、地域5大会に選ばれたEスポーツ種目で、代表国はザンビアと開催国のマラウイでした。

ザンビアの参加は歴史的な快挙です。マラウィとザンビアは、公式試合のEスポーツ・ショーケースで、サイドイベントではなく、メインイベントとして出場した最初の国です。 さらに、参加できるアスリートが20歳以下、つまり19歳以下であることも、若いアスリートに実りある未来があることを示すものです。

才能が育つ環境を整え、世界Eスポーツ連盟がサポートする大陸の5つのゲームやその他の大きなチャンスに対応できるようにすることに、もっと力を注ぐ必要があります。ですから、私の評価では、ザンビアのEスポーツ参加には明るい未来が待っていると思います。

アサフ・アタホ・ニェニェジ ( GCC UAE )

あなたは27歳で、アフリカ大陸で最も若いEスポーツのチームマネージャーです。スポーツやEスポーツにおける女性の地位について、また今後5年間のザンビアにおけるEスポーツの発展について、どのようにお考えでしょうか? また、あなたのEスポーツ会社であるTeam Gematrixは、この業界にどのように貢献するのでしょうか?

チョルウェ・エレン・シャブカリ( EFZ Zambia )

ああ(笑)、 27歳という年齢はちょっと怖いですが、最年少のチームマネージャーと言うべきかどうか。あちこちに私より比較的若いチームができていますから。でも、大陸のEスポーツ連盟の最年少事務局長の一人というのはあり得ると思うので、訂正すると、大陸のEスポーツの最年少事務局長とまではいかないまでも、最年少の一人になるかもしれません。

私が考えるEスポーツにおける女性の位置づけは、ゲームであれゲームビジネスであれ、Eスポーツのエコシステムにおいて私たちの数は非常に少なく、今後5年間のEスポーツの発展は本当に有望だと思います。 ザンビアだけでなく、大陸各地のEスポーツのエコシステムの中で、ゲーム開発、Eスポーツ、あるいはさまざまなキャリアの機会など、女性の存在と能力を実際に強化するために、多くの人が出てきているのです。 私は、ザンビアとこの地域のEスポーツのエコシステムの中で、女性の存在を多様化させるリーダーの一人になるつもりです。

Team Gematrixは、世界中の子供たちがEスポーツのエコシステムにアクセスする膨大な機会があることを示す、コミュニティワークショップや活動を行うことで貢献できると思います。コピーライター、ウェブサイトデザイナー、UX/UIデザイナー、ファッションデザイナー、Eコマースビジネスの構築など、多くのキャリアパスを選択することができるのです。Gematrixの目標は、このような基本的な機会にアクセスするための基礎を築くことです。

アサフ・アタホ・ニェニェジ ( GCC UAE )

南アフリカとナミビアは、アフリカにおけるEスポーツのパイオニア国としてよく知られています。この先駆的な第5回リロングウェ・ユースゲームで両国のチームが欠席したことについて、またこれらのゲームの組織についての全体的な認識について、マラウイでのこれらのゲームで初めてEスポーツで国を代表するあなたのプレーヤーたちは、どのように感じたのでしょう?

チョルウェ・エレン・シャブカリ( EFZ Zambia )

ザンビアの選手たちの経験は素晴らしいものでした。 ザンビアの選手たちは、この試合に向けて興奮していました。旅行は初めてではありませんでしたが、国を代表してビデオゲームをプレイするために旅行をして、自分たちが好きなことをやって競い合うというのは、素晴らしいというほかありません。世界Eスポーツ連盟がスポンサーとなり、私たちのチームは素晴らしい宿泊施設や食事、交通手段、サポートを利用できました。

Emirates Center for Strategic Studies and Researchにて、スポーツにおける新技術の未来について学ぶAsaph Ataho Nyenyezi氏。

アサフ・アタホ・ニェニェジ ( GCC UAE )

GEFはマラウイのアフリカ連合と共同でこのEスポーツイベントのスポンサーを務めました。この組織の責任者であるGEFのアフリカ人当局者をご存知ですか? ザンビアはメダル62個、金17個でメダルランキング3位と健闘していますが、Eスポーツは今後、アフリカ諸国にとって有望な種目になると思いますか?

チョルウェ・エレン・シャブカリ( EFZ Zambia )

はい、GEFはGEF傘下のアフリカEスポーツ開発連盟やアフリカ第5回地域大会、アフリカ連合Eスポーツ会議と連携してEスポーツイベントを主催していましたね。ですから、GEFがアフリカEスポーツ開発連盟に責任を負っていることは知っています。モバイルゲームの台頭により、さまざまな背景を持つ子供たちやアスリートたちが、PCは持てないまでも、『コール オブ デューティ モバイル』や『コール オブ デューティ ウォー ゾーン フリーファイア』などのハードコアなEスポーツをプレイできるスマートフォンの購入機会を得ているのだから、非常に有望だと思います。


アサフ・アタホ・ニエニェジ(取材・文):Gamecampcities AgencyのUAE担当カントリーディレクター
アブダビを拠点とするモビリティスペシャリスト

小野憲史(翻訳):東京国際工科専門職大学講師、ゲーム教育ジャーナリスト兼ゲームライターコミュニティ運営、IGDA日本事務局長


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