米カリフォルニア州パサデナのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインに所属する学生チームが作成した『Kitchen Kauldron』が、GDC 2023のalt.ctrl.GDCでオーディエンスアワードを獲得しました。魔女ウェンディに雇われた料理人として、シェフ・バリスタ・受付担当となり、キッチンカーの収益を上げる協力ゲームです。自作コントローラーを活用したゲームが並ぶalt.ctrl.GDCらしく、本作もまた奇天烈なコントローラーが特徴となっています。

学生たちは、ArtCenterのキャンパスに停めてあるボロボロのトレーラーの内部で、自分たちが調達し、デザインし、3Dプリントした楽しい物理的な小道具を使って、不思議で没入感のあるゲームを創り上げました。開発はコロナ禍の最中に行われため、このことは学生にとって大きな負担となりました。こうして開発されたゲームに対して、GDCの主催者は中でも、水晶玉を模した革新的な自作ゲームコントローラーを高く評価しました。

ジャスティン・フィヌリア准教授のメンターのもと、本作を制作した学生チームは以下の通りです。

• サイモン・スミス（ゲームデザイナー／リードプログラマー）
• サミー・ゲロラガ（ゲームデザイナー・プロデューサー）
• エイブリー・テイラー（ゲームデザイナー、ファブリケーター）
• ステラ・ゴールデン（作家、声優、コンセプトアーティスト、キャラクターデザイナー）
• ニコラス・ホアン（スタイルガイドの考案、環境整備、マスコットキャラクター「魔女ウェンディ」のデザイン）
• ジェネル・ユアン（コンセプトデザイナーとして食材や料理、キャラクターの一部をデザイン）
• ウィルソン・ホアン（コンセプトデザイナー、プロデューサー）

1930年に設立されたアートセンター・カレッジ・オブ・デザインは、11の学部をもち、10の大学院の学位を提供する伝統校です。産業界とも強い関係性を持ち、デザイン系の大学として初めて国連の非政府組織（NGO）のステータスを取得したことでも知られています。ゲームデザイン領域はコンセプトデザイン、アニメーションに続く、エンターテインメントデザイン学科の3番目のトラックで、プロトタイピングと開発を通して、学生はゲームのコンセプトデザインと実装について学びます。学士号ではなく、理学士号が授与される点も特徴です。

卒業生はビデオゲーム、アニメーション、テーマパーク、実写映画/テレビ、トイデザインなどの業界で活躍中です。Pixar、Disney、Dreamworks、Sony Pictures Animation、Blur、343、Riot Games、Paramount、Activision Blizzard、Santa Monica Studio、Netflix、Marvelなどの大手企業に対して多くの人材を輩出しています。著名な卒業生に工業デザイナーのシド・ミード、映画監督のマイケル・ベイ、日本人ではフェラーリのデザインを担当した奥山清行などがいます。