レベルデザイン演習の総仕上げと、なぜなぜワークショップ


東京ネットウエイブでの授業もいよいよ大詰め。2月1日は最後の授業ということで、今回はUnity演習を先にやり、後から座学パートでまとめを行いました。

はじめにUnity演習では先々週から行っている、ランゲーム(もどき)のレベルデザイン演習で仕上げを行ってもらいました。その際にポイントとして掲げたのが、「プレイヤーの体験や感情を想定してレベルデザインを行おう」ということ。具体例としてあげたのが「風ノ旅ビト」です。

本作は2012年にPS3でリリースされ、昨今のインディゲームブームを決定づけたタイトルの一つであり、ナラティブデザインの教科書的なゲームとしてよく知られているタイトルでもあります(もっとも学生で遊んだことがあるのは2人のみでしたが・・・)。

本作はまた、レベルデザインが非常に良くできているタイトルでもあります。本作を遊んだ人ならご存じかと思いますが、本作にはバトルや成長といったRPG要素がありません。単にステージを探索してパズルを解き、ゴールに向かうだけです。にもかかわらず、非常に満足度の高いゲーム体験ができるのは、一つにはレベルデザインに優れているからなんですね(他にもいろいろ理由がありますが)。

【Unite Tokyo 2018 Training Day】ProBuilderで学ぶレベルデザイン レベルデザインについて from UnityTechnologiesJapan

この点については2018年の4月にユニティさんが行ったレベルデザインのワークショップでも、GDCにおける講演スライドをもとに解説されていましたので、自分も尻馬に乗ってそのエッセンスを紹介することにしました(全部話しても混乱しちゃうので)。ちなみにユニティさんのスライドは非常に良くできているので、ゲームデザイナー志望の学生は、ぜひチェックすることをお勧めします。

後半の授業については、「なぜなぜワークショップ」をやってもらいました。二人一組で「なぜ、なぜ・・・」とオウム返しにしつこく理由を聞いていくうちに、自分でも思ってもみなかったアイディアや結論が導き出されるというもので、トヨタ自動車の「なぜなぜ分析」をパクリ、もといベースに活用させていただきました。最近ではマーケティングなどでも活用されますよね・・・

ちなみにトヨタ式では5回となっていますが、個人的には7回くらいやった方がいいと感じています。だいたい5~6回目くらいで思考のジャンプがおきるように思うからです。そこから1~2回思考を深めたあたりで結論を導き出すのが、いいような気がします。モノを作るということは、結局は自分の内面と向き合う行為なので、プロになっても定期的に続けていくといいのではないでしょうか。

なお、WHYから始めるゲームデザインについては、「CGWORLD 2017 クリエイティブカンファレンス」におけるアカツキさんの講演「アートワークの背後に潜む設計思想、『八月のシンデレラナイン』ビジュアル&UIメイキング ~「CGWORLD 2017 クリエイティブカンファレンス」(2)〜」レポートがベースになっています。拙稿で恐縮ですが、ぜひ一度ご一読ください。


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